粉体材料評価
食品、医薬品、環境、半導体、製紙、鉱業、土木、金属、コーティング、ナノテクノロジー、プラスチック、燃料電池、触媒、化粧品、活性炭・・・。様々な分野で、粉の評価が重要視されています。測定方法は多岐にわたり、最新の研究では粒子径はさらに小さくなっています。
粉体は「混合ができる」、「流動させることができる」、「簡単に分割できる」、「液体や気体中に分散できる」など優れた性質をもっています。
また、粒子はその体積に比べて大きな表面積をもっており、液体や固体にみられない特異な挙動を示します。
新素材の出現や材料設計という概念の導入など、新しい技術の発展には、これら粉体の特性によるところが大きいといえます。
しかし、粉体は粒子の集合体であり、個々の粒子の性質と集合体としての性質を合わせもっているため、一面的な測定では粉体の正確な姿をとらえることは出来ません。粉体は多面的な測定によりその特性を把握する事が必要です。
1. 元素の分析
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用途:粉体材料中の特定元素の含有量を調べます。
- デュアルアトマイザ採用によるフレーム/ファーネス自動切換機能。
- 2wayバックグラウンド補正(D2法、SR法)の選択可能です。(AA-7000)
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用途:粉体材料中の元素の定性、定量を行います。
- ハイスループットと簡単分析を両立しました。
- 従来のマルチ型ICPで問題だったスペクトル線選択などの大量のデータ処理が不要です。
- 各種アシスタント機能により、短時間に正確な分析が可能です。(ICPE-9800)
2. 組成の分析
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用途:粉体材料中の鉱物組成を調べます。鉱物組成の同定を行います。
- 高精度縦型ゴニオメータの採用、Windows対応のソフトウエアにより、マルチタスクのすばらしい操作性を実現しました。
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用途:原材料中に含まれる鉱物元素を調べます。
粉体、固体、液体と幅広い試料の定性分析と、従来の検量線法に加え、理論強度計算を利用して測定強度から組成を求めるFP法など定量機能も充実しています。FP法は標準試料の作成が困難な未知試料の定量分析に威力を発揮します。
3. 表面の観察
プロダクトラインナップ
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光学顕微鏡の機能も充実し、明視野観察・暗視野観察・微分干渉観察が可能です。従来のAFMが苦手とした微小な傷、異物の視野探し、位置決めを行い、走査型共焦点レーザ顕微鏡(LSM)を使用した高倍率観察に移行することができます。
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3D測定レーザー顕微鏡は、カラー撮像光学系とレーザー共焦点(コンフォーカル)光学系の2系統の光学系を備えており、色情報、形状情報と高精細画像を同時に取得することが可能です。
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走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、試料表面を微小なプローブ(探針)で走査し、試料の三次元形状や局所的物性を高倍率で観察する顕微鏡の総称です。SPM-9700HTは、ハイスループット観察をさらに進化させました。
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HR-SPMは周波数検出方式を採用した新世代の走査型プローブ顕微鏡です。大気中・液中における超高分解能観察だけでなく、固液界面の水和・溶媒和の観察が初めて可能となりました。
4. 熱特性の評価
プロダクトラインナップ
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用途:粉体材料の加熱時の吸熱・発熱パターンの測定
DSCは高分子材料・医薬品・食品等の研究開発・品質管理分野において材料のキャラクタリゼーションに必要不可欠な熱分析装置のひとつです。高性能・高機能な新材料開発のための分析を高い感度と簡単操作で実現します。
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用途:粉体材料の加熱時の質量変化の測定
示差熱・熱重量(TG/DTA)同時測定に求められる基本性能の向上はもちろん、各種雰囲気ガスとの様々な応用にもフレキシブルに対応できるよう考慮しました。TA-60WSによるデータ収集・解析は、快適な測定を実現します。
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用途:粉体材料の加熱時の膨張・収縮変化の測定
熱機械分析装置TMA-60/60Hは、多様な試料に対して、さまざまな測定方式* (膨張、引張り、針入) で対応し、材料の機械的特性を評価することができます。
試料の自動測長機能や安全機構など、多数のユーザーの要望を開発に生かし、高性能・高機能と操作性の向上を実現しました。
* TMA-60は全膨張方式、TMA-60Hは示差膨張方式にて測定可能です。
5. 触媒の特性評価
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用途:触媒特性の評価
- 触媒の開発や品質管理に必要な特性評価を行なう製品のラインナップです。
6. 粒度の測定
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用途:粒子径の測定
- 「ナノ」から「ミリ」までベーシックなX線透過式沈降法から最新の画像解析法に至る様々なニーズにお応えする多様な製品をラインナップです。
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用途:ナノオーダーの粒子径の測定
- 島津製作所が独自に開発した画期的な粒子径測定技術IG法(Induced Grating Method)を採用。散乱光ではなく、誘電泳動の作用で、多数の粒子による回折格子を作り、その拡散・崩壊スピードを利用して粒子径を測定するので、シングルナノ領域でも十分な信号量が得られ、高感度かつ再現性の良い測定が可能です。
7. 比表面積や細孔分布の測定
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用途:粉体材料の比表面積、細孔分布の測定
- ガス吸着法に基づく定容法により比表面積/細孔分布を測定する装置です。
- 多様なラインアップを揃え、多試料の効率処理測定が可能です。
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用途:水銀圧入法による粉体材料の細孔分布測定
- 水銀圧入法によってマクロポアからミクロポアまで、精度良く自動測定を行います。
- 細孔分布以外にも全細孔体積、平均細孔径、密度の記載も可能です。
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用途:粉体材料の比表面積測定
- 粉体の比表面積をBET一点法により自動測定します。
- 吸着量の検出は高感度の熱伝導度検出器(TCD)を用いた流動法によるもので、簡単な操作で精度良く測定する事が可能です。
8. 密度や重量の測定
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用途:粉体材料の密度測定
(Geo Pyc)
- ビーズ容積置換法を用いた多孔性サンプルのかさ密度を測定します。
- かさ密度はサンプルの細孔と空洞を含む容量をサンプルの質量で割った値です。
(Accu Pyc)
- ヘリウムガスによる定容積膨張法を用いた全自動密度計です。
- ヘリウムガスを用いた乾式測定なので粉体の試料の密度も正確に測定することが可能です。
- 試料量に合わせて1CC、10CC、100CCの3つのモデルをご用意しています。
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用途:粉体材料の重量測定
- 新型センサー『ユニブロック』の採用で応答性、温度特性、対衝撃性が格段に向上しました。
- オプションのケーブルとPCを接続する事によってExcel等のアプリケーションに直接データを取り込む事が出来ます。『WINDOWS直結機能』
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用途:粉体材料の静電気除去
- イオンバランスの良いAC方式を採用し、確実な除電能力を発揮します。
- 手持ち&自在ホルダーの2-WAY方式を採用し、ワンタッチで着脱出来ます。
- 送風のON/OFFが可能で、粉末などの飛散し易い試料は風を出さずに除電する事が出来ます。
9. 攪拌・粉砕・分級
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用途:粉体材料の撹拌・混合
- ボール型容器が回転し、試料を混合します。
- 容器内部の2ヶ所のスクレーパーにより、作業効率がアップします。
- タイマー機能搭載で、連続運転切替が可能です。
- 回転数を調節でき、回転方向も切り替えスイッチにより正転・逆転を選択できます。
- ボール型容器は本体から取り外しが容易です。
【フラット・ディスク卓上ミル】アズワン
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用途:粉体材料の粉砕
- 粉砕面がアルミナ製の臼式・水平粉砕機です。
- 連続フィード排出の実験パイロット粉砕装置で、能力5~10kg/hrの変速が可能です。
- 臼板が上下2枚ともにアルミナで構成されているので、摩耗に強く粉砕に伴うコンタミ混入の心配がありません。
【ふるい振とう機】アズワン
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用途:粉体の分級
- JIS K 0069試験法に準じたふるい振とう機です。
- 「振とう」と「たたき」の動作切り替えができ、水平振とう時には同時運転が可能です。
- ふるい架台は90度回転機構(手動)装備です。
- 連続運転、タイマー運転が可能です。
10. 加熱・溶融、乾燥、その他
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用途:粉体材料の加熱
- 炉内観察用の窓により、試料の状態を観察できます。
- 16ステップのプログラムを4パターンまで設定できます。
- 温調精度の高いPID制御により、熱処理や温度試験などにお使いいただけます。
- 温度異常時には、ヒーターを遮断する安全回路を内蔵し、またセンサー異常を感知するバーンアウト機能も装備されています。
- 軽量・コンパクトですが、炉内を広く設計しています。
- 温度勾配の設定が可能です。
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用途:微量物質の乾燥・蒸留・昇華
- 試料球を回転させて少量(微量)の蒸留・分留を目的に使用する製品です。
- 回転スピードが可変できますので、ゆっくりした速度から蒸留できます。
- ロータリーエバポレーターで使用できない、微量のサンプルに適しています。
- 冷却フラスコ(冷却球)を標準付属しています。
- 試料球(サンプル)は減圧下で使用できます。
- 試料球容量はオプションで5mL、20mL、30mLを揃えています。
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用途: 液状サンプルの微粉化・マイクロカプセル化・噴霧結晶化
- 1台の装置で水溶液系/有機溶媒系の両方のスプレードライに対応できます。
- 有機溶媒のスプレードライは、窒素密閉循環による無酸素状態のために安全に行えます。
- ビュッヒ社オリジナルの自動洗浄機能付きノズル。
- 少量のサンプルからでも粉末を得ることができます。
- 帯電防止の特殊サイクロンによる脱静電気。
- 回収サンプルが1g未満の場合でも、高回収率が可能な高性能小型サイクロン(オプション)。
11. 水分の測定
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用途:粉体材料中の微量成分の測定
- 大型カラーLCD(8インチ)の採用により操作性、視認性が向上
- タッチパネル式LCDの採用によりダイレクト操作が可能になり、操作性が向上
- 同時並行測定が可能:2台の装置を同時に制御
- コンパクトフラッシュ(CF)カード用スロットを搭載
- GLP/GMP支援機能が更に充実
- ADP-611使用時、最適気化温度が自動決定できる機能:スキャンモード
- 測定時間を従来品に比べて約30%短縮
- 滴定装置の接続例:電量法と容量法の接続、電量法2台の接続